実績
Story02 [後編]
Cases study
100名規模の企業における組織変革
〜組織OSの刷新により、5年、10年と持続可能な経営基盤を築く〜
頭で理解はできていても前に進まない…行動に落とし込む鍵は「解像度」
―前回お話を伺ってから約9ヶ月、その後の組織づくりの状況はいかがですか?
Y:
確実に変わってきていることを実感する一方、実際は山あり谷あり…前回お話した頃に思い描いていたことはそう簡単には進まないなと感じているところです。
夏井:例えば、前回のインタビューの後から具体的に計画を作って始動しようとしましたが、思うように進まなかったことがありましたね。
―社内で何が起きていたのでしょうか。
Y:
反対や反発などは一切なくて、むしろ「これから何か変わっていくぞ」ということにみんな目を輝かせてくれていたんです。
皆さんからの期待感を感じましたよね。
今振り返れば、私自身が何をするのかを描けていませんでした。社長がそうなのだから、社員はなおさら分からないから動けないですよね…
Y社長にとっても社員の皆さんにとっても、組織づくりは初めての経験。「頭で理解する」ことと「腹落ちして動く」ことの間には大きな溝がありました。 そこで、思い切って一度立ち止まることを提案し、「管理部の足並みを揃える」ことにしました。
私自身がこれまで管理部や人事部が機能している会社で働いたことがなかったこともあり、理解はできても、どこか遠い世界のような感覚があって。組織をつくると言っても実体験として動けるイメージがなかったんですよね。やっと今、「昨年夏井さんが言っていたことはこういうことか!」と納得することが増えたり、勉強のために読む本や動画の内容が「今の私たちに当てはめるとこういうことか」と解像度が上がってきました。
管理部の組織づくりとしては、「遠い世界の話」を「自分たちの役割」へ変えるため、定例ミーティングの時間を何回か使って<P社の目指す管理部の姿>を考える時間を設けました。
夏井:
Y:
夏井:
Y:
夏井:

「頭では分かっているのに、
組織が動かない」からの脱却。
~焦らず止まらず、社長と社員が“共に走る”まで~
前回のプロジェクト始動編に続き、2回目となる今回は“動き始めた組織”のリアルを伺いました(前回のインタビューはこちら)。
クライアント:P社
Orangedale 担当:夏井
プロジェクト期間:2024年2月~(継続中)
本インタビュー:2025年1月実施
プロジェクト概要
※以下は「Y:」P社 Y社長と、
「夏井:」プロジェクトを担当したOrangedale 夏井の会話を表しています。
Y:
夏井:
Y:
そこで夏井さんから<事業部と管理部・人事部とは>という組織や役割の体系的な話や、これまでの実経験を教えていただき、それがとてもよかったです。何も知らない状況で“私たちらしさ”を問われてもなかなか出せません。“基本のき”を教えていただきながら、私たちはどうありたいかを考える仕組みにしてくださって、基準や比較ができてよかったです。
皆さんの中に<事業部を支える管理部>というイメージが腑に落ちていきましたね。管理部の役割について、皆さんの解像度が揃う時間になったと思います。
事業とは何か?組織とは何か?という理解があいまいだったので、組織のどこに自分がいてその中でどんな役割を担っているのか、誰もそういった認識もなかったと思います。それが初めて共通認識を持てるようになって、今の私たちの会社にはどんな体制でどんな役割が必要なのか、それを誰が担うのかを任命できるようになりました。
はっきりと「これはこうやっていくよ」「これは、あなたに任せますよ」と伝えていくことで、社員の意識や行動も変わっていくんですね。「私の役割は○○なんだ」と自覚が深まって、そこから少しずつ一人ひとりの姿勢や発言が変わってきましたよ!自分ごとになるスイッチが入った感じですね。

「声」だけではない、現場でキャッチする“見えない情報”
―思うように進まないな」という感覚は、どのように把握されていたのでしょうか?
夏井:
Y:
夏井:
Y:
組織の状態は、スコアや報告書といった「目に見える数字」だけでは測れません。私は常に、現場の空気感や皆さんの表情や振る舞いから伝わる違和感(見えない情報)にアンテナを立てるようにしています。これは、Yさんのお話から把握することもあります。目に見える情報だけでなく、現場の雰囲気や社員の皆さんの気持ちから感じ取ることも合わせて、事業や組織が今どんな状況かを多面的に捉えることを大切にしています。
夏井さんから常々「Yさんが自分の目で現場を見た方がいい」と言われていて、何年か振りに私も現場の事業所に一職員として入りました。そこで改めて、社員の声からだけでは分からないことがあること、私たちが進めようとしていることがどれぐらい伝わっているのか、社員やお客様がどんな状態なのか、肌感覚で分かることがたくさんありました。
「声」を聞くという点では、P社の皆さんは「困っていることや不安」を拾いに行くのが得意な方が多い印象です。そのため、困り事があったらなんとかしてあげたいと皆さんが動く傾向にありました。P社さんらしさでもあり素敵な一面です。この声を拾い合う強みを安定した事業・組織運営に活かすには?を考える段階に入ってきましたね。
そうですね。これまでは私も社員と同じ目線で、社員の言葉に左右され過ぎていた部分があったと思います。正直、社員がどう思っているのか分からないからこそ常に不安でした。でも夏井さんに伴走いただく中で、改めて社員のことも分かるようになってきて、このメンバーなら大丈夫という信頼も高まりました。だからこそ、もっともっと組織も事業もよくしていきたいと私自身の意識を向けるアンテナが変わってきましたね。
<考えて、決める>一人ひとりが変わり始めた自発的なアクション
―社員の皆さんの変化は、具体的にはどんなところに表れていますか?
Y:
夏井:
Y:
夏井:
Y:
夏井さんには必要に応じて社員との面談もしていただいているのですが、最近では社員自らが活用するようになってきたんですよ。夏井さんと面談したことのある社員が「管理職の悩みを話せる場があった方がいいから」と他の社員に薦めるようになっていて。
外部から関わってくださっているからこその客観的な視点をいただけて、私だけじゃなくて社員一人ひとりも確実に意識と行動が変わってきています。それこそ、最初は「面談なんて要らない、なんのためにするんだ」なんて言ってた社員も、ガラッと変わりました。
すごく大きな変化でしたね!
もう一つ、前回のインタビューの時に話していた“就業規則の読み合わせ”は半年弱ぐらい続けてくださったのですが、今では管理部メンバーも自ら就業規則を手元に置いて参照して考えるようになっていますよ。
夏井さんにはいつも「何が起こっているのでしょうか」と問われてきました。そのおかげで、一人ひとりの気持ちや意見も聞くと同時に、何が起こっていて会社としてはどう考え判断し対応するのがいいのか?を冷静に考えるようになり、就業規則や規程に立ち返りながら試行錯誤するようになりました。
劇的な変化ですよね!日々起こる個別具体的なことは、一問一答のような答えが分かりやすいものだけではなく、様々な情報を集めて考え、最適解を自分たちで選択する方が多いです。まさに「自ら考え、決める組織」の芽が出はじめてきましたね。
つい先日も、ある社員から事情があって休みを取りたい旨の相談がありました。みんな優しいので「とにかく少しでも長く休ませてあげられないか」とまず考えてしまいますが、会社としてそれだけでは動けない。管理部のメンバーが就業規則を参照して社労士に問い合わせ、夏井さんにも相談して、会社として何が今のベストかを考えてくれています。
今はまだ、私は私で社労士と夏井さんに相談して答えを用意しておいて、メンバーが考えたこととすり合わせをしています。これを繰り返しながら、社員に任せられるようにしていきたいと考えています。すごく時間もかかりますし、頭を抱えることばかりの毎日ですが(笑)、一人ひとりが自分で考えて決められるようになることを大事にしたいので、夏井さんにもそこは辛抱強くサポートしていただいていると思います。

組織改革は人を中心に置いてこそ前に進む。だからこそ「現在地」を知り柔軟に選択する。
―次のチャレンジや期待についてもお聞かせください。
夏井:
Y:
夏井:
Y:
この9ヶ月間、従業員の皆さんに経営者の思いを伝えて反応を見て、計画と実行のスピード感を調整しながら進めてきました。今回は特に「経営と従業員の足並みを揃える9ヶ月間」だったのではないかと思います。
何を持って成功というかはありますが、組織改革の7割は失敗するとも言われています。その原因の多くは、人の心が追いついていないことが多くあるようです。重要なのは、計画通りに進まないズレを「失敗」と捉えず、現状に合わせて柔軟に計画を修正し続けることだと考えています。その点をY社長にもご理解いただいていて、変更の提案をする時には前向きに対応を変えてくださっています。それはプロジェクトを進める上でとてもありがたいです。
今のフェーズや状況はどうで、計画を変更してこうなっていますよと可視化していただけるので、とても助かっています。具体的なことは日々やりながら変えていくことばかりですが、これまでの変遷も資料に残してくださっているので、ちゃんと目指す方向に進んでいることも同時に実感できています。
ここからは、いよいよ具体的な施策に着手ですね。社員の皆さんからの期待の高まりも感じています。焦らず丁寧に組み立てていきましょう。
私は最初から人材開発(人材育成、具体的な研修など)ばかりに注目しがちでしたが、夏井さんからまずは組織そのものをつくることですよと伴走いただいて(組織の7Sでいうところのハードの部分。前回のインタビュー参照)。はやる気持ちもありますが、焦らず、ですね。

夏井:
研修や育成のニーズが現場から出てくることは、とても素晴らしいことです。一方で、ただ研修プログラムを充実させればいいというものでもありません。今は会社の目指す姿に応じてどんな組織体制が必要で、それぞれの役職・職務の定義、求められるものは何か?を皆さんと一緒に整えているところです。例えば人事制度や育成方針・体系を作っていくのがこれからですね。
皆さんの足並みを意識しながら、一人ひとりが<考えて、決める><準備して、やってみる>そういったアクションを積み重ねて一緒に前に進むご支援ができればと思っています。

